展示室紹介



4.足寄でみる地球の歴史



テーマ4では、足寄周辺の自然現象や岩石から地球の歴史を見ていこうというコーナーです。

オンネトー湯の滝をパネルで展示 町内のオンネトーという美しい湖の近くにお湯が滝になって流れている「湯の滝」があります。実はこの湯の滝でたいへん珍しい現象が発見されました。湯の滝の斜面では、マンガン鉱物が生成されています。地球上でマンガンが生成されている場所は、深海の熱水鉱床でしか確認されていませんでした。陸上で大規模な生成現象が見られるのは、世界中でこの湯の滝だけです。
恐竜絶滅の鍵、KT境界層 中央にある地層は、北海道浦幌町川流布で発見されたK/T境界層です。これは、白亜紀(Kreide:恐竜の生きていた時代)と第3紀(Tertiary:哺乳類の進化した時代)の境界の層です。
恐竜が絶滅した原因の一つとして、中米のユカタン半島に直径約10Kmの隕石が衝突した説があります。このとき、大量の塵を地球全土に降らせたと考えられており、その中に特徴的な物質としてイリジュウムがあります。川流布のこの層でもイリジュウムが検出されています。
十勝の生い立ちと人類の進化 ここでは、人類の歴史と十勝の生い立ちを展示しています。170万年前十勝は穏やかな内湾でした。100万年くらい前になると北海道中心部、今の大雪山系で活発な火山活動が始まります。この噴出物などで、次第に内湾が埋め立てられ、80万年前になると大きな湿原が広がります。当時の湿原の堆積物が十勝の基盤の一部にあるため、植物系の温泉(モール泉)が十勝のあちこちにあります。
双口注口土器をはじめとする珍しい埋蔵文化財も足寄から見つかっています。 足寄では、化石だけでなく、たいへん珍しい土器や石器など埋蔵文化財も見つかっています。町内には112箇所の遺跡が確認されています。
写真の「双口注口土器」は、1989年に行われた上利別20遺跡で発掘されました。注ぎ口の2つある土器は他で例がなく儀式などに使われたのではないかと考えられています。
このように古い時代の人類を調べる学問を考古学といい、化石など古い時代の生物を調べる学問を古生物学と言います。